「良いモノさえ作れば売れる」が勘違いである理由
質問者
本当に良いモノを提供していれば勝手に売上は上がるのだから、営業なんてしなくていいと先輩経営者に言われたのですが、どう思いますか?
税理士
半分正解で半分勘違いです。本来は良いモノを提供する技術と、それを売る技術は全く別の技術です。

「本当に良いモノを提供していれば、
その価値を理解してくれる人が自ずと
集まってきて、売上が上がる。
だから小手先の営業なんてしなくても、
良いモノを提供していればいいんだ。」

こういった経営哲学を語る人は少なく
ありませんし、あなたも一度は耳にした
ことがあると思います。

一見もっともな正論のように聞こえますが、
この考え方は半分正解で半分勘違いです。

というのも、本来は良いモノを提供する
技術と、それを売る技術は全く別の技術
だからです。

本当に良いモノを提供しているのに、
売上が上がらない人なんていくらでも
います。


ではなぜ「良いモノさえ作れば売れる」
という経営哲学を語る人が多いのかと
いうと、実際に彼ら自身は良いモノさえ
作っていたら売れたからです。

需要が供給を上回っている時代だった
ので作れば売れたとか、
もともと持っている顧客リストや人脈に
対して売るだけでよかったとか、
ずば抜けて良い商品だったので口コミ
だけで広がったとか、
知らずに商品のプレゼンテーションが
上手くできていた、店舗の立地が良か
った、あるいはセールスが得意な人が
近くにいたとか…。

言い換えれば、売る技術を持っていなくて
も売れる環境が整っていた人や、
知らずに売る技術を身につけていた、
あるいは売ってくれる人が周りにいた人は、
売る技術を磨く必要はなく、たしかに
良いモノさえ作っていれば売れたわけです。

それだけやっていればいいと勘違いして
しまうのも無理はないでしょう。


しかし、私たちのような小さな会社の
経営者が、これを信じて売る技術を磨か
ないのは非常に危険です。

今は人口が減って需要も減っている一方、
ネットで日本全国から色んなものが供給
できる時代です。

私たちが持っている顧客リストや人脈は
小さく、日本全国の競合が真似できない
ようなずば抜けたモノを提供することも
難しくなってきています。

良いモノを提供する技術を磨くことは
もちろん大切ですが、商品の良さを20秒
以内で説明するUSPをはじめ、売る技術を
磨くことも同じぐらい大切ですので、
日々実践、改善を繰り返して磨き上げて
いきましょう。

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