「YouTube始めてみませんか?」
友達にそう声をかけられたのは2023年7月のことです。
その友達自身も税理士ですが、クリエイティブな仕事がしてみたいと、動画編集の技術を学んでおり、話し手を探しているとのこと。
「YouTubeで税理士の動画なんてわざわざ見る人いるの?」
と疑問に思ったのですが、チャンネル登録者が1万人を超える税理士さんもたくさんいることを教えてもらい、思いのほかニーズは高い様子でした。
ニーズがあるならやってみようかと、始めての動画を投稿したのが7月27日のことです。
そこから毎週1本ずつ動画をアップし、9本目の動画をアップしたおよそ2ヶ月後の9月30日にはチャンネル登録者1,000人、再生時間4,000時間の収益化条件を満たし、広告収入が得られるまでに成長しました。
YouTubeのコンサルティングをされている方に聞くと、最初の2ヶ月なら週2で投稿して合計1,000回視聴ぐらいいけば、その後の伸びが期待できるそうです。
でも私たちは動画9本中6本が1動画1万回視聴を超える打率の高さで、上位15%以下と言われる登録者数1,000人の大台にすんなりと乗せることができました。
1,000人突破の秘訣
素人の税理士2人がコンサルタントの力も借りずに、これだけの成果を上げられた秘訣は何でしょうか?
その秘訣は、ニーズに合わせてシンプルにわかりやすさを追求したことです。
税理士のYouTube動画を観る人は何を求めているのか?
を考えたときに、シンプルに疑問を解決したいと思っている、わかりやすい答えを求めているのではないかと考えました。
そこで、ちょうど私が発行していたメルマガとブログ「ビジネスQ&A」が、ビジネスの疑問にわかりやすく答えるというコンセプトで作成していたため、これを原稿に動画を撮影することにしました。
自宅のパソコンのインカメラで撮影した動画で、マイクも数千円のピンマイクをパソコンに繋いだだけなので、動画の質や音声の質は決して良くありません。(収益化してからは高いマイクを買いましたが)
税務にエンターテインメント性なんて求められていませんし、面白い話も特にしてません。
それでも投稿した動画の平均視聴時間が長く、YouTubeのおすすめに表示されて視聴が伸びたのは、狙い通りわかりやすいから最後まで見てもらえたということでしょう。
また、インボイス制度が開始する直前の時期だったので、インボイス関連の動画が検索から見られることが多かったのもプラスに働きました。
なぜわかりやすいのか?
当然私たちだけではなく、誰もがわかりやすい動画を作成しているはずですが、特にわかりやすいと評価してもらえたのは、主に次の3つの差別化ポイントがあったからです。
ポイント①:わかりやすい構成でできている。
ある制度について解説するときに、その制度を1から10までかみ砕いてわかりやすく解説してくれる動画はたくさんあります。
その方法なら万人が理解できますし、その制度について深く理解できるメリットがあります。
一方で、視聴者に関係ない、興味がない部分の解説も入ってしまい、視聴者がどのようなアクションを取ればいいのか、自分で考えてないといけないデメリットもあります。
しかし、私たちが作成したビジネスQ&Aは、視聴者の疑問を出発点とし、それに対する回答や、具体的なアクションをおすすめするところから解説が始まります。
続いて、それはなぜなのか?の根拠の一つとして、ある制度の一部を解説するため、その制度について1から10まで説明するわけではありません。
制度の全体像を理解しづらいデメリットがある反面、視聴者からすれば疑問に思っている部分だけを次々と解決してもらえる構成になるため、理解しやすいというメリットがあります。
ポイント②:元塾講師なので説明に慣れている。
わかりやすい論理構成であっても、話し手の説明が下手だとなかなか理解しづらい部分がありますが、話し手である私が7年間塾講師と家庭教師をしていたため、税理士にしては講義に慣れています。
撮影には不慣れですが、特に訓練をしなくても聞き取りづらい、わかりづらいと言われないのは、この経験値によるものでしょう。
とはいえあくまで素人なので、嚙んだり詰まったりは日常茶飯事ですし、説明が複雑になってしまう部分もたくさんあります。
それでもスラスラと話しているように見えるのは、動画編集者の編集技術と、図解やテロップによる視覚的な補足説明のおかげです。
ポイント③:実務家なのでQ&Aをたくさん持っている。
私の本職はライターでもなくセミナー講師でもなく、税理士として、経営コンサルタントとして、経営者の相談に応えることです。
したがって、ターゲットとしている5人以下の小さな会社の経営者がどんな疑問を持っているのかをたくさん知っていますし、それに対する回答もたくさん持っています。
視聴者の疑問を的確に読み取り、それに対する回答を次々と伝えていく技術に長けているため、これがわかりやすい、面白いという評価につながっているようです。
まとめ
この文章を書いている10月16日の時点では、10本目の動画がアップされていて、チャンネル登録者数は1,340人まで伸びています。
↓YouTubeチャンネル:税理士ショウの超わかりやすいビジネスQ&A
https://www.youtube.com/channel/UC5N3ZY3sN60IijrnFrCx_NA
伸びているポイントはやはりニーズに合わせた動画をアップしていることで、どれだけ良い動画を作ってもニーズがなければ伸びませんし、かんたんに作った動画でもニーズがあれば伸びます。新商品の開発と同じ要領ですね。
YouTube始めてみようかなって検討されている方は、自分が作りたい動画と似た様な動画をアップしているチャンネルを調べてみて、ニーズがありそうかどうか確認してから始めるようにしてくださいね。