免税事業者はインボイスに備えて何をすべき?
質問者
私は消費税の免税事業者なのですが、インボイスに備えて何かしなければならないことはあるのでしょうか?
税理士
「請求書の表示」と、得意先に事業者が多い場合は「価格設定」の2点、対応を検討する必要があります。

「インボイスが始まれば、免税事業者も
消費税を納めないといけなくなる?」
といった噂でも広まっているのか、
そう勘違いしている人が多いのか、
免税事業者の方から、インボイスの対応
について相談されることが増えました。

※そもそもインボイスって何?と思う人は、
以前書いたこちらの記事をご確認ください。
【インボイスの開始に向けて、何か準備は必要ですか?】
https://itayama-syo-zeirishi.jp/invoice/

しかし、ほとんどの免税事業者はそのまま
免税事業者でいればいいですし、わざわざ
課税事業者を選択したり、インボイスの
番号を取得したりする必要はありません。


それよりも、「請求書の表示」と、
得意先に消費者ではなく事業者が多い場合
は「価格設定」の2点、対応をご検討くだ
さい。

【1.請求書の表示について】

今まで請求書に消費税10%を別表示
していた人は、消費税は表示せずに、
税込価格というか、請求金額のみを
請求書に記載するように変更して
おいた方が無難です。

インボイスが始まると、免税事業者で
あることが相手にわかってしまうので、
消費税分値引きするように要請されて
しまうおそれがあるからです。

【2.価格設定について】

得意先が免税事業者から商品を110円で
仕入れた場合でも、今までは内消費税10円
を支払ったものとして、得意先が納める
消費税から10円控除してもらえました。
(これを仕入税額控除といいます。)

したがって、得意先の仕入負担は実質100円
(仕入代金110円-仕入税額控除10円)
ですみました。

しかし、インボイスが始まると、
免税事業者から110円で仕入れた場合、
消費税10円は支払っていないことになり、
10円の仕入税額控除は受けられなく
なってしまいます。

10円まるまる控除が受けられなくなる
わけではなくて、令和5年10月1日~
令和8年9月30日の間は80%仕入
税額控除ができるため、この場合8円
は仕入税額控除が受けられます。

よって、得意先の仕入負担は実質102円
(仕入代金110円-仕入税額控除8円)
となります。

※1.令和8年10月1日~令和11年9月30日
は50%仕入税額控除可能で、
令和11年10月1日以降は控除不可です。

※2.得意先が一般消費者の場合は、
一般消費者はそもそも仕入税額控除
が受けられないので、どちらの場合も
仕入負担は110円です。


このように、得意先からすれば、
同じ110円で仕入れるのであれば、
10円まるまる仕入税額控除が受けられる
課税事業者から仕入れた方が実質負担
が少なくてすみます。

したがって、売値を下げるよう要請された
り、同じ値段で販売している課税事業者に
仕入先を変更されたりするおそれがあり
ます。


そこで、令和5年10月1日から自ら課税事業
者を選択して、条件を同じにしてしまう
という特例も用意されていますが、
消費税の納税負担や手間が大きいため、
あまりおすすめできません。

免税事業者のままでいて、値下げで対応
するのか、付加価値をつけて販売価格を
キープするかなど、価格設定で折り合い
をつけた方が現実的でしょう。

もちろん、80%仕入税額控除が認められる
令和8年9月30日までは影響も小さいです
し、気にせず価格をキープする人も多いと
思いますので、慌てずに対処してください。

P.S.
免税事業者の場合は、今のところこの2点
を気を付けてもらえば大丈夫ですが、
課税事業者は色々とやることが多いので、
またセミナーなどで説明する機会を作ろう
と思っています。

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