年間計画は悲観的に考えるべき?
質問者
計画や目標を立てるときは楽観的に、ポジティブに考えるイメージがありますが、悲観的に考えろってどういうことですか?
税理士
楽観的に考えることも大切ですが、年間計画を立てるときはあえて悲観的に考えることを推奨しています。「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」という稲盛和夫さんの言葉を意識してみてください。

そろそろ年の終わりが近づいてきました。
今年の目標の達成度合いも見えてきて、
来年の目標を考え出している人も多い
と思います。

私は定期的に経営計画を考える合宿に
参加しているのですが、計画や目標を高く
設定する楽観的な人もいれば、現実的に
達成できそうな計画しか立てない悲観的
な人もいて、計画にも個性が出るなーと
いつも感じます。

では、年間計画は楽観的に考えるべきか、
悲観的に考えるべきか、どちらが有利なの
でしょうか?

どちらも有利不利はあるのですが、私は
年間計画を立てるときに限っては、あえて
悲観的に考えることを推奨しています。


いやいや、リーダーたるもの楽観的で
ポジティブな計画や目標を示すべきでは?
と思われた方もいると思います。
そこは私も否定しません。

スポーツでポジティブシンキングが重要視
されるように、高い目標を掲げて、それが
絶対達成できるという楽観的な気持ち
がないと、難しいことは成し遂げられない
のが事実です。

しかし一方で、会社のリアルな数字を見て
意志決定を下すのが仕事である経営者
が、何の根拠もなく高い数値目標を掲げ、
根性論で目標を達成しようとする姿勢も
危険です。

厳しい現実を見て、本当にその計画や
目標は達成可能なのか?達成するため
にはどこが難しくて何が足りないのか?
を悲観的に考えることも重要です。


負けてもリスクは少ない、勝つことだけに
集中していればいいスポーツとは違って、
経営は必ずしも楽観的な人が有利とは
限りません。ときには悲観的に考えて、
バランスを取る必要があります。

とはいえ、一人の人間がバランスよく
楽観的な精神と悲観的な精神を使い
分けることなんてできないですよね。


そこで意識して欲しいのが、京セラの
稲盛和夫さんの著書『経営12か条』に
書いてあった次の言葉です。

「創造的な仕事をする上で大切なこと
は、楽観的に構想し、悲観的に計画し、
楽観的に実行することです」
※一部要約しています。

つまり、「こんなことがやりたい」など
の構想を考えるときは、「それは難しい」
といった悲観的な考えはいったん捨てない
と、自由で前向きな発想ができません。

逆に具体的な計画を考えるときは、
「何とかなるだろう」といった楽観的な
考えはいったん置いといて、別人になった
つもりで現実を直視し、現実味のある計画
に落とし込まないといけません。

そして、「よし、これでやろう」と実行
に移ったときには、難しいことは考えずに、
「絶対できるはずだ」と楽観的な気持ちで
進めていけばいいということです。


ということで、来年の年間計画を立てる
ときは、あえて悲観的に考えて、実現
可能で意味のある計画を立てるよう心がけ
てみてください。

また、今年の目標達成が難しいと感じて
いる人も、まだ半月ほど残っていますし、
「絶対できるはずだ」と楽観的な気持ちで
進めてみてください。

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