先日、リーダーシップ・チャレンジ(ジェームズ・M・クーゼス、バリー・Z・ポズナー著)という書籍で紹介されている、ついていきたいリーダーに共通する4つの特質について解説しました。
簡単におさらいすると、4つの特質とは次のとおりです。
【ついていきたいリーダーに共通する4つの特質】
1. 正直さ
2. 先見の明
3. 仕事の能力
4. やる気にさせる
正直で、先見の明があって、仕事の能力も高く、仲間をやる気にさせてくれるようなリーダーにみんなついていきたいって話でしたよね。
※ 詳しく知りたい方は次のブログをご確認ください。
https://itayama-syo-zeirishi.jp/leader4-peculiarities/
ここからが今日の本題ですが、ではこういった特質や性格を生まれ持っている、才能あるリーダーしか優れたリーダーにはなれないのでしょうか?
結論から言えば、答えはノーです。
リーダーシップ・チャレンジの中でも、「リーダーシップとは性格の問題ではなく、行動の問題であり、すべての人が行えるものである」と断言しています。
また、こちらの書籍の30年間にわたる調査の中で、非凡なことを成し遂げるリーダーは、例外なく次の模範的リーダーシップの5つの実践を行っていることが突き止められました。
【模範的リーダーシップの5つの実践】
1. 模範となる
2. 共通のビジョンを呼び起こす
3. プロセスに挑戦する
4. 人々を行動にかりたてる
5. 心から励ます
ということは、私たちもこの5つの実践を行えば、優れたリーダーに早変わりすることができるかもしれません。
ここからは5つの実践の具体的な内容を解説していきますので、自分にはできていない部分がないかを意識しながら読んでみてください。
目次
模範的リーダーシップの5つの実践
1.模範となる
共通の理想や価値観を自分の言葉で語り、それに従って行動することで手本を示す。
言ったことを守る、お手本を示してくれる正直な人にみんなついていきたいってところに異論はないと思います。
よくある失敗例は、どこからか引っ張ってきた立派な社訓を掲げて、自分自身が守れていないケースです。
自分が心にも思っていないような美しい言葉を並べ立てても、その通り行動できませんので、ポイントはあくまで自分の言葉で語るところです。
会社のミッション(社会的使命)、バリュー(価値観や行動指針)、社訓などを考えるときも、綺麗な言葉でなくても構いませんので、自分の言葉で考えるようにしましょう。
2.共通のビジョンを呼び起こす
自分も仲間も心躍るような共通のビジョンを描き、人々を引き入れる。
先見の明があり、ワクワクするような未来を描いてくれるリーダーに人々は心を惹かれます。
しかし、リーダーである社長が描くビジョン(理想の姿)が、単なる売上目標、利益目標に過ぎなかったら?
その目標を達成できたところで、スタッフには何のメリットがあるのか?何が面白いのか?
これが伝わらないと、スタッフはついてきてくれません。
会社のビジョンを考えるときは、社長1人よがりのビジョンにならないように、スタッフもワクワクするようなビジョンを考えるようにしてください。
3.プロセスに挑戦する
現状を打破するために、テストやリスクテイクを繰り返し、小さな勝利を積み重ねる。
仕事ができる人は、難しい仕事にチャレンジして失敗を繰り返した結果、難しい仕事ができるようになっています。
リーダーが難しい仕事にチャレンジしようとしないと、仕事ができる人ほど幻滅してリーダーのもとから去っていくでしょう。
もちろん、リーダーは仲間の運命を背負っているため、博打に近いハイリスクなチャレンジを繰り返すわけにはいきません。
それでも、失敗できる範囲で小さなテストやリスクテイクを繰り返し、小さな勝利を積み重ねて成長していく必要があります。
4.人々を行動にかりたてる
信頼を築き、意思決定の権限を与えることで、人々の能力を高める。
大きな夢ほど1人では実現できないため、力を合わせるだけではなくて、1人1人のやる気や責任を負う覚悟が必要です。
そのためには、「やる気を出せ」「自分で考えろ」なんて口先だけで命令しても逆効果です。
仲間を信頼して、全員に意思決定に関わってもらい、担当分野の意思決定を任せましょう。
そうすれば、仲間はやる気と責任を持って自ら仕事に取り組んでくれるようになり、想像以上の能力を発揮してくれます。
ワンマン社長がワンマンになってしまうのは、結局すべて社長が意思決定してしまうからです。
スタッフを信頼して仕事を任せ、失敗したら自分も責任を取る勇気を持ちましょう。
5.心から励ます
仲間の働きに感謝を示し、貢献を讃え、共同体精神をつくりだす。
道のりが辛く険しいほど、誰もが疲れ果て、イライラし、やる気を失ってしまいます。
そんなときに人々を前へと進ませるのは、純粋に相手を思いやる行為です。
仲間の働きに感謝を示し、貢献を讃え、努力の結果として得られた成果に今一度目を向けましょう。
お互いに感謝し合い、讃え合い、成果を祝う共同体精神が強くなるほど、どんな環境にも耐えられる強い組織ができあがるはずです。