新入社員やアルバイトが入社したとき、何をどこまで指示したらいいのか迷いますよね。
最初は手取り足取り教えないといけないのは仕方ないとしても、ある程度慣れてきたらそれぐらい自分で考えて動いてよって思うこともあります。
どのぐらい指示を出して、どのぐらい任せればよいのか、そのさじ加減に迷った経験は一度や二度ではないはずです。
私ももちろんこの問題に悩んでいたのですが、新1分間リーダーシップ(ケン・ブランチャード+パトリシア・ジガーミ+ドリア・ジガーミ著、ダイヤモンド社)というシリーズ累計2,100万部以上売れた有名な本を読んで、その悩みのほとんどが解消されました。
この本によると、部下の発達レベルによって、部下への関与の度合い、さじ加減を大幅に変える必要があります。
これが状況対応型リーダーシップと呼ばれるものですが、具体的にどういった行動を取ればよいのか、ここから詳しく解説していきます。
状況対応型リーダーシップとは?
リーダーが相手を動かしたいときにとりうる基本行動は2種類、指示型行動と支援型行動に分かれます。
部下の発達レベルや状況に応じて、この2種類の基本行動のどちらを多く取るのか、リーダーシップのスタイルを使い分けるのが状況対応型リーダーシップです。
指示型行動とは?
指示型行動のキーワードは『決定』『指導』『観察』『頻繁なフィードバック』の4つです。
その名の通り指示を出したり、指示通り動けているか管理したりする行動です。
支援型行動とは?
一方で、支援型行動のキーワードは『傾聴』『介入』『促進』『激励』の4つです。
こちらも支援という言葉の通り、指示を出すのではなくて、部下が主体となって行動しているのを支援・サポートする行動です。
指示型と支援型はどちらが重要?
どちらもリーダーとして必要な行動ですが、どちらが重要というものではなく、一方に偏ってはいけません。
例えば、入社したばかりの新入社員に「自分で考えて行動して、わからないことがあったら聞いて」といった『傾聴』タイプの支援型行動をとっても、まだ基本ルールすらわかっていない新入社員はまともに行動できません。
我流で仕事をして間違ったやり方を覚えてしまったり、考えすぎて動けずに自信をなくしてしまったり、自分で判断させることが逆効果になってしまうおそれがあります。
そこで、最初はシンプルに『決定』『指導』といった指示型行動を増やす必要があります。
一方で、ベテラン社員に対してああしなさい、こうしなさいと『決定』『指導』の指示型行動ばかり取るのもあまり好ましくありません。
煩わしく思われるどころか、自分の仕事のやり方を否定されていると感じてモチベーションが下がる原因にもなってしまいます。
したがって、ベテラン社員に対しては指示型行動を減らして、問題が起きたときだけ『傾聴』や『介入』をして問題解決をサポートしたり、さらに上のレベルを目指せるように課題を出して成長を『促進』したりする支援型行動を増やした方がいいでしょう。
ただし、ベテラン社員だからといって慣れていない仕事を任せるときは指示型行動を増やす必要がありますし、緊急事態などの素早く動かなければいけない場面では、こちらの指示に迅速に従ってもらう必要はあります。
まとめ
このように、指示型行動と支援型行動のどちらを増やせばよいかは部下の発達レベルや状況によって変わります。
状況によってリーダーシップのスタイルを使い分ける、状況対応型リーダーシップが重要であることがご理解いただけたでしょうか?
同じ新入社員でも、入社時のレベルやその後の成長度合いによっては、「自分で考えて行動して」って言った方が前向きに行動してくれる場面もあるわけですね。
リーダーシップのスタイルについては、細かく言えば部下の4段階の発達レベルに応じて、4つのスタイルに分類することができます。
今日は長くなりましたので、その辺りはまた別の機会に。