板山翔税理士事務所
税理士
板山 翔
税理士事務所で3年半勤務した後、一般企業の経理に転職。
転職1年後に税理士資格を取得し、経理の仕事を続けながら、
税理士事務所を開業する。
「Wワーク、顧問先ゼロ、開業資金ゼロ」の状態で開業したため、
開業直後は厳しい経営状態が続いた。
しかし、スマホで会計資料を撮るだけで決算申告ができる「スマホ税務会計システム」
を独自で開発し、業務を効率化。
日本初の「オンライン専門の税理士事務所」へと転身し、開業1年後に月商100万円を達成する。
これをきっかけに経理の仕事を辞めて、中規模の税理士法人を設立。
2年半にわたって税理士法人の指揮を執り、200社以上の会計、税務に携わる。
2020年2月に再び独立するが、直後に新型コロナウイルスが蔓延。
さまざまな業界でビジネスがオンライン化されていく中で、オンライン専門の税理士事務所として躍進。
オンラインビジネスの先駆者として、小さな会社のビジネスを支援している。
3度の起業のストーリー
消去法で税理士を目指す
私が税理士を目指すようになったのは全くの偶然です。
経済的事情で私立大学を中退し、フリーターをしていたときに、勉強し直して学費が安い国公立大学を受験するか、何らかの資格を取得しようと思いました。
しかし、塾講師や家庭教師の他、複数のアルバイトをかけ持ちしていたため、短期間でたくさんの科目を勉強しなければならない大学受験は、勉強時間が確保できずに断念しました。
そこで、何年かかっても良いから5科目受かればよいマラソンレースである、税理士試験にシフトしました。
したがって、試験形態が当時の私の生活スタイルに合っていたということと、国家資格を取れば食べていけるだろうという安易な理由で税理士を選びました。
他に試験形態が似ている国家資格があれば、そちらを目指していたかもしれません。
一か八か二十代で税理士事務所を開業
本当は税理士事務所に勤めながら税理士試験の勉強をしたかったのですが、経理未経験だとどこにも採用してもらえず、塾講師などのアルバイトをしながら、独学で勉強していました。
何とか税理士試験に2科目合格した時点で、税理士事務所にも採用が決まったので、そこから3年半ほどは税理士事務所で働きながら、通信講座を受けて試験勉強を続けました。
最後の1科目がなかなか受からなかったので、残業が少ない一般企業の経理に転職したところ、転職した翌年に合格することができました。
合格発表を待っていたときに、今年の試験で受かったら起業して開業税理士になり、落ちたら勤務税理士として生きていこうと決めていましたので、そのまま開業しました。
開業してもうまくいくかどうかわかりませんが、勤務税理士も大変な仕事なので決心がつかず、試験結果に身を委ねました。
経営難からの大逆転
一か八か開業してみたものの、顧問先もいなければ開業資金もなかったので、経理の仕事もフルタイムで続けながら、副業で税理士事務所をやっている状態でした。
当然経営状態は厳しく、親の土地を担保に入れてもらって開業資金を借入したにも関わらず、顧問先は身近な人が紹介してくださった数件のみで、ほとんど利益が出ない状態が続きました。
起業するまでも苦労はありましたが、この時期が一番精神的に苦しかったです。
そこで、スマホで会計資料を撮るだけで決算申告ができる「スマホ税務会計システム」を独自で開発し、オンラインだけで対応できる仕組みにして、低い顧問料でも利益が出るようにしたところ、徐々に顧問先が増えていきました。
また、そのころに商工会議所の会合で、集客アドバイザーをされていた森勇二さんに出会い、売上アップ実践会というマーケティングの勉強会に参加させて頂きました。
そこでマーケティングを学び、事務所のキャッチコピーを「土日夜間対応可能なフリーランスのための税理士事務所」としたところ、さらに顧問先は増えていき、開業1年後には月商100万円を達成することができました。
税理士法人設立
開業1年で食べていけるようにはなったものの、低価格を売りにしていたこともあり忙しくなってしまったので、税務調査対応に強い他の税理士事務所と合併して、税理士法人を設立しました。
この合併によって事業規模は拡大したものの、弊所の特色であったオンライン対応や完全ペーパーレスなどの仕組みは機能せず、拡大に伴ってより一層忙しくなってしまいました。体力的にはこの時期が一番きつかったです。
今思えば、安易に規模拡大によって収益を上げようとして、強みや特色がなくなってしまうよくある失敗パターンにはまってしまいました。
そこで、2年半後の2020年2月に税理士法人を退任して、再び自分の個人事務所を開業しました。
2度の起業で苦労したおかげか、幸い3度目の起業となる今の事務所は、順調に業績を伸ばしています。
オンライン専門の税理士事務所として躍進
2020年2月の開業時はまさにコロナ禍に突入していた頃で、交流会参加や対面による税務相談ができず、新規集客が難しい時期でした。
もともとスマホ税務会計システムをはじめとしたオンラインだけで運営できる仕組みを持っていましたので、キャッチコピーを「小さな会社のためのオンライン専門の税理士事務所」として活動を始めました。
スタッフもテレワークが中心で、集客もFacebook広告やオンラインセミナーを活用するようになり、ほとんどすべての業務がオンラインで完結できるようになりました。
3度の起業経験で学んだ経営のノウハウや、オンラインでスピーディーに情報発信ができる強みを生かして、今では経営コンサルタントとしての活動にも力を入れています。